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概要

研究支援センター

Takehiko Yokomizo横溝 岳彦順天堂大学大学院医学研究科生化学第一講座 教授 教育・研究支援センター10周年、誠におめでとうございます。センターの開設に関わった者として大変嬉しく思います。 私は医学部医化学分野の教授として平成18年2月に九州大学に赴任致しました。赴任した当日に、竹重公一朗前教授(生化学分野)から「人材(技官)と学部としての研究経費を有効に活用するために、共通機器室を立ち上げることになっている。その中心となって計画を練って欲しい」との依頼を受けました。特定の研究室に配置されていた人材リソースを医学部全体で共有できる体制作りをすることになったわけです。医化学分野の技官であった中村崇規氏と、解剖学分野の技官であった平川泰博氏を配置転換し、3名の非常勤技能補佐員を新規雇用してセンターがスタートしたのは、平成18年の10月でした。このときに加わってくれた尼子さん(旧姓溝江さん)は、現在でもセンターの中心メンバーとして頑張ってくれています。肝心の共通機器は、基礎A棟の或る研究室に放置されていたセルソーター、フローサイトメーター、プラスミド精製機をオーバーホールし、電子顕微鏡と共に共通利用を開始しました。医学部中央経費で定量的PCR機器、プレートリーダー、DNAシーケンサー、マイクロアレイスキャナーなどを購入して頂き、これらの機器を用いた受託業務も開始しました。 苦労したことはいくつもありますが、国立大学のタイトな規則をどう緩めて使いやすい共通機器室にするかに腐心しました。私が特にこだわったのは、1)支援センターを医学部だけではなく九州大学全学に開放すること、2)きちんと使用料金を徴収するシステムを構築すること、でした。1)に関しては当初は反対する声も多かったのですが、頑張って全学に門戸を開いたためか、少しずつ全学からのサポートも頂けるようになりました。センターの機器の故障やリニューアルに対応するためには、2)のようにきちんと料金を徴収し、センター自身の財源を確保することが重要で、この判断は正しかったのだと思っています。 ありがたかったのは、当時運営委員長だった高柳涼一前教授(病態制御内科学)の温かいサポートでした。また、新任教授の私が、この様な重要なセンターを立ち上げることができたのは、センタースタッフの献身的な協力のおかげだと思います。特に、実験には素人だった非常勤技能補佐員を一から(ゼロから?)教育し、立派なテクニカルスタッフにまで育て上げた中村技官には心からの敬意を表したいと思います。その後、センターは機器・人員共に大きく拡大し、今では九州大学の生命系研究者にとって無くてはならない施設になったと思います。私は平成24年4月に九州大学を離れることになりましたが、今でも「横溝の九大時代の最大の業績は、支援センターを立ち上げたことだ」と褒めて頂いています。定年後も無理にお願いして頑張って頂いた中村技官も平成28年3月には引退されるとお聞きし、寂しい限りです。今後も住本英樹センター長の下で、支援センターがますます発展することを祈って、お祝いの言葉とさせて頂きます。お祝い10年目を迎えた平成27年10月現在のスタッフ(中央は住本センター長、尼子、恵原、清田、高見、中村、早川)《順不同》